菜種油、ひまわり油、大豆油、コーン油などを原材料としてメタノール(メチルアルコール)と触媒でエステル化してグリセリンを分離除去して、動粘度を軽油の2倍程度まで下げた液体燃料のことです。
なんともハイテクな燃料だと思われるかもしれませんが、実は19世紀後半にドイツ人ルドルフ・ディーゼルがパリ万博の時にはじめて世にディーゼルエンジンを発表したとき、燃料として使ったのはピーナッツ油(つまりバイオディーゼル燃料)でした。近代化が進むにつれ化石燃料である軽油が普及し、バイオディーゼル燃料は次第に忘れ去られていきましたが、環境問題が深刻になった現代、にわかに注目を集めるようになりました。
ドイツでは今でもガソリン車よりディーゼル車の方が人気があるのは、ドイツ由来のエンジンだからです。
バイオディーゼル燃料の精製過程
植物油(廃食油)に、メチルアルコール(メタノール=CH3OH)と、水酸化カリウム(KOH)を規定量投入します。約65度で3時間程度、攪拌反応させた後、20時間以上静置沈殿します。そうするとメチルエステル(バイオディーゼル燃料)とグリセリンに分離します。 植物性食用油は、脂肪酸とグリセリンの化合物ですが、そこに水酸化カリウムを触媒として、メタノール+脂肪酸とグリセリンに分離反応を起こさせるのです。 分離が終わったら、グリセリンとメチルエステルを水で洗浄します。冬場は約45度のお湯を使用し2回の洗浄を行います。水と燃料は比重が違うため水の方が重く下にたまります。燃料中の脂肪酸や不純物が水によって洗浄され、不純物の少ない燃料ができあがります。
バイオディーゼル燃料のメリット
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- 軽油と使い勝手が同じです。軽油車(ディーゼルエンジン)に改造なしで給油できます。
- 軽油より含有有害物質の量が少なく、硫黄酸化物(SOx)がほとんど出ません。
- 植物性の廃食油を使うので廃棄物のリサイクルになります。
- 地域循環型の構築に貢献できます。
- カーボンニュートラルの考えによりCO2の排出量を抑制でき、地球温暖化防止にちょっと貢献できます。(B20使用で、ライフサイクルCO2は通常より16%削減効果あり)
すでに、フランスやドイツといったヨーロッパ諸国では、国家プロジェクトとして数年前から実用化が進められ、一般にも普及しています。日本でも、 各自治体や企業などで徐々に研究が進められるようになっています。